芸談 聞き書き


図書館から借りてきていた 『のり平のパーッといきましょう』 
(三木のり平 聞き書き 小田豊二 / 小学館)を読み終えた。
日本橋浜町の待合の息子として生まれ、幼い頃から寄席や芝居小屋に通い、
新劇から喜劇役者、個性派俳優へ・・・。
そのと~っても長い芸歴のはなし、思い出、芝居や笑いへの思いが綴られています。
おもしろい! 内容はもちろん、のり平センセイが喋った口調そのままに文章になっているのが
すばらしい。 小気味よく飄々として粋な軽さで。
小田豊二さんが聞き役になって、話した内容を書き起こしているのだけど、
対談とは違って聞き役の相槌などは書かれていないので、問わず語りのような体裁になりつつも
ちゃんと相手も見えてくるような、グイグイひきこまれる読み物です。
1999年に74歳で亡くなる少し前に語った言葉たち。
酒をのみながら、とぼけたりツッコミいれたり、ちょっと寂しさもにじませつつ、
読み終える頃にはこちらも泣き笑いのような感情をおぼえる。
文庫化もされてるみたいなので、手元に置いておきたいなあ。

そして、小田さんが聞き書きをした本がウチにもあったなぁと思い出して、続けて読みました。
『幇間(たいこもち)の遺言』 (悠玄亭玉介 聞き書き 小田豊二 / 集英社文庫)
日本最後の幇間といわれた悠玄亭玉介師匠の芸のはなし。
この師匠も下町っ子。明治40年浅草生まれで、子供の頃から歌舞伎にのめりこみ、
落語や常盤津、日本舞踊の修行をしてそれぞれ名取になりつつ、昭和10年にたいこもちに。
お座敷によばれて、お客さんに気持ちよく遊んでもらうために座を盛り上げるのが
たいこもちの仕事。 
歌舞伎役者の声色や屏風芸、踊りに落語などの芸を見せるのはもちろん、
なんといってもお客をもちあげる気遣いと話芸。 
ヨイショとひとことでいうけれど、とても深い。
そんなハナシをこれまた小気味よいテンポでポンポ~ンと喋ったままに書いてあるので
やっぱり一気に読んでしまう。 
往年の歌舞伎役者や落語家、講談師の名人などのことも出てくるけど、まるでわからない。
でも、十分楽しめる。 笑いながら、ためになる。
芸談でありながら、普遍的な人生論でもある。
ちょいと艶っぽいはなしもあったりして、それがまた軽妙で。
この本も、1994年に85、6歳で亡くなる直前までのインタビューを聞き書き形式で
まとめたもの。
とても病床にあるとは思えない洒脱っぷり。

2冊とも、聞き書きの小田さん、よい仕事をしてくれたものだと思う。
おすすめです。
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さて、この後は以前読みかけて途中になってる『旅芸人のいた風景』(文春新書)に
再度挑戦するか(前はあまりにも芸人の起源の学術的考察って感じで挫折した・・・)、
図書館に『由利徹が行く』 (高平哲郎)があれば借りるか。。。
そして依然、就寝前には分厚い 『ロッパ昭和日記』 をめくっている。

喜劇月間はつづく。



お~っと! 玉介師の映像を発見!



あるもんだなぁ。。。
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by hey_leroy | 2009-10-14 21:35 | books | Comments(0)
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