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「お酒」といえばでてくるお酒


酒場でひとこと「お酒」といえばスッと出てくる酒が好きだ。
暖簾をくぐりながら引き戸をガラリと開け、カウンターの適当な席に腰をおろす。女将さんが突き出しの小皿を持ってきたあたりで「お酒、冷や(常温)で」とか「お酒、ぬるめにつけてください」とかいえば、出てくるもの。

銘柄でいろいろ呑みくらべるのも楽しいし、純米吟醸に大吟醸、あらばしりにひやおろし(思わず喉がなってしまった)も魅力的だけど・・・うん、魅力的だ。
話がおわってしまった。

まぁともかく、自宅での晩酌に通じるような日常の酒として、それぞれの酒場のスタンダードは、常連たちの信頼を得て、今日も一升瓶が着実に消費されてゆくのだ。

それらは「無名の酒」というイメージだったりするけど、当たり前ながら銘柄はしっかりと決まっている。押し付けがましくないだけで、しっかりと。

横須賀中央の銀次は、京都伏見の酒「招徳」。ここは真夏でも何もいわなければ燗酒だ。これがまた旨い。小瓶のビールで喉を潤したあとのぬる燗。そら豆、シコ鰯、イカフライもいいなあ・・・。時代モノのお銚子には店の名と招徳の文字が藍色に染付けられている。
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同じく横須賀、米軍基地のメインゲートの門前(?)の通りにある興津屋は、会津の酒「花春」。ここでは厚手のコップで冷やでいただくことが多い。煮物や塩豆などと。花春といえば、むかし江ノ島へと渡る橋の上におでん屋台が並んでいて、その中の「いこい」という店をひいきにしていたのだけど、そこも花春だったなあ。おばあちゃんがやってて。おでんのつぶ貝や大根を肴に呑む花春のコップ酒、染みたなあ。今や屋台はみんな消えてしまった。
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昨日も行った地元の焼き鳥屋さんは、岐阜・養老の酒「玉菊」だ。今まで見たことないお酒。主に岐阜県内のみで流通しているらしい。養老の滝伝説の由来の地。気のせいかスルスルと胃の腑に落ちていくような・・・。

東京・月島の行きつけの立って呑むお店では、「冷や」といえば月桂冠の「恒の月」という酒が注がれる。これが「月桂冠とあなどるなかれ!」な呑み応えがある。のみやすいけど味もしっかりしてて。

下北沢の老舗おでんや(代替わりして行かなくなったけど・・・) の「初孫」(山形)など、ほかにも思い出の酒はいくつかある。

いずれもその夜はまさに甘露なれど、翌朝にはキツイ仕打ちをかまされる。
まったくもってツンデレなお酒たち。
・・・すべての責任は自分にありますです、はい。


なんてことを書きながら、今宵は素面なり。

きょうのお弁当。
麻婆茄子、塩鮭、小松菜ポン酢、切干大根、しらすご飯。
by hey_leroy | 2011-03-31 22:05 | スカ呑みスカ喰い

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy