泥鰌庵閑話 傑作選
2014年 11月 18日
『 泥鰌庵閑話傑作選 』 滝田ゆう (ちくま文庫 2012年)
「どぜうあん つれづればなし」 とルビがふられている。
滝田ゆうが昭和46~54年にかけて小説現代に連載していた、一話完結の漫画。
徒然なるままに、おもに呑みまわるさまを描いた私小説ならぬ私漫画。
全108篇の中から、この「傑作選」は43篇をセレクト。選者は、なぎら健壱兄ィ。
原稿の締切はとっくに過ぎているのに、どうにも筆がすすまない。
夕方、灯ともし頃になるとどうにもソワソワ・・・
ふらりと着流し&下駄履きで出かけると、3日も家に帰らなかったり。
あぁ、なんでこうなるのか。。。
雨は「サタサタ」と降り、踏切の音は「ケーン、ケーン」・・・
読んでいて、ニヤニヤしたり、身につまされたり。
刹那的な呑み方でもある。
おかしくてせつない。
ちくま文庫からは、幼少期を過ごした東京下町のことを描いた 『寺島町奇譚』 や、
古典落語を漫画化した 『滝田ゆう落語劇場』 も出ていて、どちらも滝田ゆうワールドで
面白いのだけど、この 『泥鰌庵閑話』 が自分は一番好きだなぁ。
ただ、やっぱり、文庫サイズだと、字が小さいッ あまりに小さいッ
読むの、ツラいッ
滝田ゆう独得の、吹き出しの中に描かれたイラストも見えづらいッ
『寺島町』や『落語劇場』読んだときにわかっていたことだけどッ
・・・いつか、全部単行本で揃えちゃる!
滝田ゆう。1931生まれ。1990年、肝不全のため死去。58歳。