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このごろ読んでたもの

夜、風強し。
あちらこちらで空き缶やらなにやら飛び交っている。
夕食はクリームコロッケ、具だくさん豚汁、牛蒡と油揚の炊き込みご飯。

外呑みガッツリ、家での晩酌もシッカリな日がつづいていたので、本を開くことが疎かになっている。
追われて読むのは不本意だが、積まれたままの本を横目に見ているのも面白くない。

そんななかでも、少しは・・・。備忘メモとして。

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『雑踏の社会学』  川本三郎 (ちくま文庫 1987年)
 サブタイトルは「東京ひとり歩き」。初出は1984年。新宿、渋谷、銀座、池袋などの都心部から吉祥寺、麻布十番、さらには赤羽、洲崎へと。街歩きの達人による東京ルポルタージュ。書かれたのが30年前ということで、盛り場の様子も懐かしい。驚くのは、川本さんのブレなさ加減だ。これからバブルへと向かっていこうという浮かれた時代に、雑踏にまぎれて匿名の人となり、場末の大衆食堂でビールを1~2本(グダグダになるまで呑んだりしない)。当時40歳。現在もスタンスはまったく変わっていない。


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『ごぶ・ゆるね』  安藤鶴夫 (旺文社文庫 1980年)
 昭和30年代後半から、亡くなる昭和44年までの随筆など。東京・神田の思い出を綴った「ずいひつ・かんだ」、古本についてのあれこれや書評をまとめた「古書店あるじ」、そして大学時代からの親友との往復書簡を収めた「ごぶ・ゆるね」の三章からなる。歯切れの良い東京言葉が文章になっていて、心地よい。 随筆だけでなくて、専門の演芸評論などもそろそろ読んでみようかな。タイトルの「ごぶ・ゆるね」は仲間内で使っていた言葉で、「ご無沙汰、ゆるしてね」の略。 仏文学者・齋藤磯雄との往復書簡(この直後に安藤は急逝する)、そして、齋藤によるあとがきが心に残る。


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『わがままな食卓』 沢野ひとし (本の雑誌社 1999年)
 椎名組(あやしい探検隊)のイラストレーター、ワニ目の沢野(敬称略)。古本屋の店頭で見つけて手を伸ばした。食に関する随筆集。さらりと読み終える。僕はこの人が書いた「東京ラブシック・ブルース」とう青春小説が好きだ。60年代のカントリー・ウエスタンバンド。ほろ苦い恋。・・・沢野さんの文章は、この「ほろ苦さ」が滲むものが秀逸だと思っている。今回の随筆集でもいくつか。すれすれのニヒル感。読む人によってはすれすれでアウトかもしれないけど。
by hey_leroy | 2015-02-15 23:55 | books

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy