木下杢太郎詩集

昨年93歳で亡くなった大叔父と最後に会った2011年の夏。
その時に酒場の隅で小声で歌ってくれた「むかしの仲間」という歌。
木下杢太郎(きのした もくたろう)が書いた詩に、後年、山田耕筰が曲を付けた。
國民歌謡として戦前にラジオで流れ、親しまれていたらしい。

「むかしの仲間も遠く去れば、また日頃顏合せねば、知らぬ昔とかわりなきはかなさよ。
春になれば草の雨。三月、櫻。 四月、すかんぽの花のくれなゐ。 また五月にはかきつばた。
花とりどり、人ちりぢりの眺め。窓の外の入日雲。」


このとき以来、木下杢太郎という名前が心の隅に残っていた。
詩人であり、皮膚科の医師であり、東京帝大医学部の教授でもあったという。

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「木下杢太郎詩集」  河盛好蔵編 (岩波文庫)

藤沢の古書店の隅っこでみつけた。
「むかしの仲間」は入ってないけれど、多くの詩歌が収められている。
随筆や小説など、普段は一気に読んでしまいがちで、詩の楽しみ方はまだまだ知らない。
ほかの本を読む合間に、少しずつ味わっていこうと思う。

ネット図書館の青空文庫に、この詩に関連する随筆が収載されていた。
「すかんぽ」 木下杢太郎 →(link

大叔父は、姉である僕の母方の祖母と一緒に、良く歌をうたっていた、と母は言う。
祖母は大正元年生まれ。大叔父は大正9年生まれ。
そういわれると、自分も小さい頃に聞いた憶えがあるような気がする。
何かの唱歌だったような。

娯楽が少なかった時代、今よりもずっとずっと歌は身近にあったのだろうな。

自分が年老いた時、心の中にはどれだけ豊かなものがあるだろうか。
日々を大切に暮らさないとなぁ。
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by hey_leroy | 2015-03-13 23:32 | books | Comments(0)
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