つなげていく

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『 昭和の店に惹かれる理由 』  井川直子 (ミシマ社 2017年)


本屋で背表紙を眺めながらブラブラ。
目に入った「昭和の店に惹かれる理由」というタイトルに惹かれて手に取る。
そりゃ、気にならないはずがない。ズルい題名。
でもね、たいがい名前負けというか、内容はどうも・・・なことが多い。
個人的好みの幅の狭さもあるんだろうけど。
パラパラめくって、これは、面白そうと思った。
個人的好みの幅の狭さに合致した。

本書で取り上げられたお店は、
とんき(とんかつ)、シンスケ(居酒屋)、鶴八(寿司)、尾張屋(おでん)、
鳥福(焼鳥)、はやし(天ぷら)、スヰートポーヅ(餃子)、田楽屋(炭焼)、
カフェ・ド・ランブル(喫茶店)、Bar ル・ヴェール(バー)
という10店。

著者の取材は、丁寧だ。
店の来し方行く末のこと。なにより大切な今のこと。
それぞれの主の思いを聞き出す。

昔からの仕事を一切変えずに守るのが第一な店。
昔からの仕事を進化させつつ、外目には変わっていないと思わせる店。
昔からの仕事に敬意をはらいつつも、新しいアイディアも取り入れる店。

十店十色。
どれが良い悪いではなく、どれもが正解。

「人は昔から、昔はよかったっていうんです」(シンスケ)
「身の丈以上に抱えこむと、今以下になってしまう」(スヰートポーヅ)
「守りでも攻めでもない。つないでいるんでしょうね」(鶴八)
「前の人から預かって次の人に渡すまではがんばらなきゃいけない」(とんき)
「気づけば、父と同じことをしています」(鳥福)

多くの店の主人が「自分は前の代から次の代へのつなぎ役」と異口同音に話していたのが興味深かった。

読むまで気づかなかったど、田楽屋って鎌倉のあそこか!と、少し驚く。
なんとなく敷居が高いような気がして、まだ入ったことないのだ。
いずれ、きっと。


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by hey_leroy | 2017-04-11 23:13 | books | Comments(0)
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