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「酒」と作家たち

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『 「酒」と作家たち 』 浦西和彦編 (中公文庫 2012年)
『 私と酒 ~「酒」と作家たち2 』 浦西和彦編 (中公文庫 2016年)


「酒縁歳時記」などの著者でもある佐々木久子さんが編集長をつとめた冊子「酒」。冊子自体は昭和25年に創刊し、休刊時期のあと、昭和31年から平成9年までの長きにわたり、佐々木久子が携わった。

この2冊は、冊子「酒」に寄稿された数多くの文士や評論家などによる文章のアンソロジー。もちろん内容も酒、酒、酒・・・である。
1冊目は、夏目漱石と酒との関係を綴った文章に始まり、林芙美子、織田作之助、川端康成ほか文壇のビッグネームと交流があった作家たちによる酒にまつわる回想録。2冊目は、もう少しくだけた、昭和の文人、流行作家たちによる酒についてのエッセイが並ぶ。

酒食に関するエッセイは以前から好物で、アンソロジーものとしても、吉行淳之介が編集した「酒中日記」「また酒中日記」や、人気があった冊子「あまカラ」からの抄録本(全3冊)など、今でも何かにつけ引っ張り出してはページを繰っている。昭和の作家の名前にある程度詳しくなったのは、彼らの文芸作品に触れたわけではなく、こうした小さな酒食についての読み物を通じてであるということは白状しておかねばなるまい。

呑みながら仕事する作家。きっちり仕事を終えてから呑みはじめる作家。
呑むと荒れる作家。春風駘蕩、穏やかに呑む作家。
人を集めてにぎやかに呑む作家。ひとり酒を好む作家。

どれも魅力的。昭和がにじんでる。





by hey_leroy | 2017-09-28 23:54 | books

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy