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ダウナーな土曜日


午前中から体が重くて、起き上がれない。
どうやら発熱しているみたい。

布団のなかで朦朧としてたら、あっというまに夕方になってた。

あ~あ。

この週末は安静にしていなきゃだわ。
でも食欲はあるので、冷蔵庫のぞいて、これはもうカレーでしょう
・・・という材料しかないことを確認。
ヱスビーの赤い缶入りのカレー粉つかって、小麦粉炒めて。
ただしい日本の黄色いカレーライスとあいなりました。
あまり辛くないのが今日の体調にもやさしいようで。

とちゅう、冷蔵庫整理を兼ねてフルーツトマトを切ってカレーに
入れようとしたら、包丁で小指をわりと深めに・・・。
やっぱりちょっと朦朧気味なのでしょうか。
凹むわ~~。

ともかく、週末はこのカレーでのりきります。最後はカレーうどんじゃ。


せっかくだからと、なかなか読み進んでいなかった本をゆっくりと。
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 『盲滅法  深沢七郎対談集』  (創樹社 1971年)

小説家、ギター演奏家、百姓、今川焼き店主・・・とさまざまな肩書きをもっていた
深沢七郎(1914~1987)がさまざまな、ほんとうにさまざまな人たちと対談した
ものを1冊にまとめたもの。古本屋でずいぶん前に見つけました。
時期的には1958年頃から1972年頃まで、発表されたのは『話の特集』、
『婦人公論』、『宝石』、『中央公論』など、節操なくつめこんだ感じ。
でも、そこが全体を通して読むと雑多で猥雑なエネルギーに満ちていて、
面白い。2段組で350頁ほど。かなりの読みごたえです。
この後1970年代半ばの対談集『たったそれだけの人生』というのもでているけど、
内容はこの『盲滅法』の方が濃ゆいです。

肝心の対談相手。
作家の井伏鱒二、大江健三郎、「自称三文役者」殿山泰司、上野駅の赤帽の親方、
詩人の白石かずこ、映画監督木下恵介、埼玉のゴゼ(三味線を片手に町村を流して
唄をきかせる人。多くは盲人)のおばあさんなど・・・総勢20人弱。
なかでも『裸の大将』山下清画伯との対談は、深沢本人が「やっぱり似たもの同士」と
対談タイトルにつけたように、周りに左右されない価値観や感性をもっている2人の、
やさしい雰囲気に包まれつつも表裏のない核心ズバリな会話が印象的だった。

これだけの対談人数なので、盛り上がるときもあればすれ違いっぱなしのときも。
深沢氏のノリ加減を察しながら読むのもたのしい。
「女はみんなビフテキだ」(殿山との対談より)とか、「東京都民人口50人論」とか
けっこう突拍子もないことを言ってるようなんだけど、独特の深沢節になっているので
ほとんど違和感なく読めちゃうのだよなぁ。

終盤、野坂昭如・永六輔・竹中労・矢崎泰久らが登場してくると
俄然エロ・グロ・ナンセンスの様相。「糞尿屁座談会」ですぜ・・・。
こないだここで少し触れた赤塚不二夫・タモリらハナモゲラ文化の一世代前というか、
くだらない(本当は決してくだらなくない?)ことを大真面目に考えるオトナたちの
先駆け的存在。
野坂らが怪気炎をあげている印象なのに、ここでも深沢七郎だけが
ほかの対談の時とスタンス、語り口がかわらないような気がする。気がするだけか。

深沢ワールド。 興味は深まるばかり。
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装丁は横尾忠則。
by hey_leroy | 2008-09-13 23:55 | books

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy