2009年 12月 27日 ( 1 )

百鬼園先生とカマボコ・・・それから、シネパトス

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昨日の午前、テレビ 『食彩の王国』 を寝ぼけ眼でみていたら、番組最後に
内田百けん(「けん」の字は、門がまえに月)の写真とエピソードが出てきた。
この日の番組のテーマは「かまぼこ」。
お正月が近いからかな。

ひゃっけん(百鬼園とも書かれます)センセイが昭和19年に書いた文で
「餓鬼道肴菰目録」というのがあります(「御馳走帖」に収載・中公文庫)。
戦争も激しくなり食料も不足していた当時、記憶の中から美味いもの、食べたいものを
書き出した一篇。 実に90品弱が羅列されてます。
そのなかの1つに「かまぼこノ板ヲ掻イテ取ッタ身ノ生姜醤油」というのがあって、
テレビで紹介されてたのもそれについてでした。
岡山出身の百鬼園先生、彼の地では瀬戸内の魚を使ったそれは美味しいかまぼこが
あったのでしょう。 あるいは、東京に来てからのことなのかも。
たしかに、あの板つきのかまぼこを切り分けたあと、板に残ったのは美味しそう。
でも、1本からそう取れるものでもないような。
そこがいいのかな。
もうすぐ正月。 家の冷蔵庫でも1本出番を待っています。
わさび漬けをのせて、身を掻いた残りは生姜醤油で食べよう。

なんてことを思いつつ、出かけついでに久々に御馳走帖を読もうかなと本棚をのぞき、
隣にあった「まあだかい」(ちくま文庫)にする。
こちらの方が、なんとなく年末年始に読むのに合う気がして。
昭和25年以降、還暦を過ぎた百鬼園先生をお祝いするために、かつて教鞭をとっていた
法政大学の教え子たちを中心に、毎年先生の誕生日(5月29日)に宴を催した。
会の名称は「摩阿陀会(まあだかい)」。 「センセイ、まだ冥土にはいかないんですか(まあだかい?)」
「まあだだよ。いくときには「もういいよ」と言うよ」・・・。
その宴の前後の思いや、酒席の様子、挨拶の内容などを記した一冊。
温かい気持ちになり、真面目とも冗談ともとれるようなユーモアにニヤリとして、
そのあと胸がほんのり熱くなる。
なんとも厚く微笑ましい師弟関係であることか。

その「まあだかい」を読みつつ、夕方銀座へ。
シネパトスにて 『喜劇 駅前漫画』 と 『喜劇 駅前番頭』 (共に1966年)。
『駅前漫画』は、当時ブームだったオバQやおそ松くんのブームに乗った形で、
映画の中にアニメや特撮(風)も織り込まれたりして、斬新な効果を狙ったけれど・・・
今映画としてみると凡庸な印象。 
『駅前番頭』は箱根の老舗旅館に番頭として勤めることになったフランキー堺を軸に
いつもの展開ながら、シリーズが始まり10年近く過ぎると、やはり新鮮味は薄く感じる。
今日観た2本は、どちらもフランキーが主演級の扱い。森繁も伴淳も随所でオイシイ演技を
しているけど。 あと、山茶花究がめずらしく台詞が多くて個性を発揮していた。
1966年というと僕が生まれる前年。
日本の喜劇映画はやはり昭和30年代が予算もイキオイもあったということなのだろうか。
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by hey_leroy | 2009-12-27 23:58 | movie | Comments(0)