北京の秋
2009年 11月 06日
夜半、小松菜と油揚げの煮浸しでウヰスキ。
『北京の秋』のレコードをきく。
清水靖晃&サキソフォネッツ。1983年。
このアルバムが出たころ、僕は中3か高1だった。
良さはわからず、ずっとレコード棚の隅っこに埋もれてて、
でも、なんとなく手放すこともせずに残ってた。
今、イイなぁと思う。 10年前ではまだダメだったろうとも思う。
コール・ポーターやデューク・エリントン、マット・デニスらによるスタンダード曲を
流麗なストリングスをバックに、清水さんのサックスが色香を振りまく。
ただ甘美なだけではなくて、この時代の曲が持っている苦さや闇の部分も
アレンジに反映されている。
1980年代という時代が求めてた「オシャレさ」も多分にありつつ、
その頃の音楽をいま聴くとコッパズカシイ気分になるものが多いなか、
このアルバムの普遍性、あるいは先見性はスゴイな、と思う。
なにより、清水靖晃という人がスゴイ。
化粧品のCMでも流れていた、「バッハの無伴奏チェロ組曲をサックス演奏にアレンジした」もの
が特にインパクト大きかったけど、
ジャズ~スタジオミュージシャンとしての活動に収まらず(見切りをつけた?)、
自分の音楽を掘り下げるべく国内外で繰り広げてるアーティスティックな活動は
全然追い切れません。
ぷふ~っ、とため息つきつつ、今夜は 「北京の秋」でウヰスキ。
・・・北京の秋。ボリス・ヴィアンの同名の小説に直接絡んではいないけれど、
インスパイアはされている・・・とライナーノーツには書かれています。
このアルバムの発表前、清水さん率いるグループ「MARIAH」のLPタイトルは
「うたかたの日々」だったし。
触発されるものがあったんだろうな、きっと。