横浜長者町の夜。R&Bに胸あつくなり。
2010年 04月 24日
横浜・関内・長者町。
明るくにぎやかなイセザキモールを1本裏に入れば、そこは猥雑感に満ちたヨコハマの夜の街。
とある古いビルの細い階段をのぼると、変哲のない、しかし来る者を拒むように閉ざされた扉。
知らない人は、きっとたじろぐ。
知ってても、一瞬たじろぐ。
およそ10年ぶりぐらいで、ここに来ました。
もはや老舗といってよいライブハウス。
近年はクレイジーケンバンドが出ていることでも知られている。
そう、ヨコハマにあって、もっともヨコハマ臭いライブハウス。
中はウッディで、かわらぬアメリカンな雰囲気。
ソウル、ELVIS、アメリカンポップス関係のポートレートが壁を埋めている。
リーゼントのマスターも元気だ。 ・・・僕はずいぶん無駄に貫禄をつけてしまったようだ。
ここは20代の頃、月に数度?週に1度?ときには週2?ぐらいのペースで出演していた店。
ここで踏んだ場数は、間違いなく自分の財産になっている。
そのバンドは六本木バレンタインや渋谷クロコダイルほか都内でもライブをしていたけど、
拠点は横浜だった。そういえば、今はなき「本牧APOLLO」のこけら落としもやったっけ。
そのときは、あの!スカ・オーケストラを立ち上げて間もないドレッドのトロンボーンのK原さんと
一緒だった。 えらくカッコよかったなぁ。 僕はまだ学生だった。
そして今日のライブは、そのときのバンドでメインボーカルをとっていたこの方。
自分の音楽の師匠のひとりであり、本物のソウルシンガーとして日本で稀有な存在である、と
キッパリ言いきれるお方であります。
数々の戦隊モノのテーマソングや、アニソン、CMソングなどで日本はもとより近年は海外でも
ひっぱりダコ。 昨年は歌手生活40周年(!)でCD BOX SETも出ていたり。
そんなこんなで超ご多忙な御大、そのルーツであるR&Bバンドのライブは半年以上ぶりだとか。
僕は現在メンバーではないんだけど、話をききつけて、当時ホーンセクションで一緒だった
"Jerry"大山さんと共に(半ば強引に?)混ぜてもらうことになった次第。
10年近くぶりに会った御大。 さっきから仰々しく"御大"などと書いているけれど、実際は
本当に気さくで、少年のようで、歳はずいぶん上なんだけど「兄貴」って感じなのだ(畏れ多い)。
すっと気持ちは20年前に戻ってしまう。
そして、ライブが始まると、その歌声は・・・。 なんなんだ、このかわらぬパワフルさは。
うしろのスピーカーから轟くシャウトの音圧で立ちくらみを起こしそうだ。
太くて、重い。 そして、黒い。
Otis、Temps、Sam Cooke、Sam&Dave、JB、キ○肉マン、富○サファリパーク・・・ん?
・・・そんなアツク楽しい3ステージ。
今日を楽しみに待っていた満席のお客さんたちも盛り上がる。
身体に沁みついた曲たち。 譜面はなくても、いきなり本番でも、記憶と本能で乗り切れる
BRONXホーンズなのでした(一部誇張あり)。
バンドメンバーは、知っている人と初めての人が半々くらい。
歌える人が多いのでコーラスグループモノもできたり、リードをかわるがわる取ったり。
あとで気づけば、横浜や都内で自分のグループを率いているミュージシャンばかりだった。。。
懐かしさあり新しい刺激あり、なにより元気をもらった一夜でした。