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芸能者的こころ


文藝別冊 永久保存版 「小沢昭一 芸能者的こころ」 (2010年 河出書房新社)
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「KAWADE夢ムック」というこのムック本シリーズは、自分にとって興味深い人を総力特集してくれることが多い。内田百間や武田百合子のが手元にあるけれど、太宰、三島から赤塚富士夫、志ん生、安野モヨコ、清志郎まで相当幅広いラインナップなので、「自分にとって」というよりは、大多数の人の興味になんらか引っかかる一冊があるんだろうと思う。
先日図書館でみつけたこの小沢昭一の号については、まったくノーマークだった。 さっそく借りてきて読み始めたら、止まらない。 本人による文章や対談のほか、ゆかりのある人が書いた雑文などがゴチャゴチャと収められている本で、こういうのは、目に留まったのをあっち読みこっち読みでパラパラ適当に目を通すのが常なれど、はじめからしまいまでガーッと、寝るのもわすれて一気に読みきってしまった。

う~ん、面白い。 

根っこは俳優であるけれど、そこから派生した活動がなにしろ幅広い。そして、それらのひとつひとつがライフワークといえるような質・量の高さを持っている。 歌手、ハーモニカ奏者、放浪芸などの芸能研究家、写真家、俳人、ラジオパーソナリティ、寄席での随談、著述家、エロ事師・・・。

童心、好奇心、探究心の人。
圧力や戦争への声高でないがはっきりとした嫌悪。 
はにかみをもった東京っ子。

表紙の写真をみても、お婆さんみたいなお爺さんになって、ずいぶんお年を召されたなあと思うけど(82歳とのこと!)、今年40年目のTBSラジオ「小沢昭一の小沢昭一的こころ」 での口角泡をとばすバイタリティあふれるお喋りは、日本が誇る話芸といえましょう。自分は週末とかに podcastで聴いてます。

エッセイや末広亭(寄席)での随談の書き起こしなどの著書を何冊か読んだり、ここ数年古い日本映画を良く観ているので、「幕末太陽傳」や「洲崎パラダイス」他の出演映画も何本か目にしているけど、本も映画もとっても数が多くて、でも触れておきたいものばかりでとても追っつかない。 そして、舞台も一度は観てみたいのだけれど・・・。



しばらくはこのムックを座右に置いて(amazonポチッと済み)、図書館や名画座をチェックしよう。  
by hey_leroy | 2011-05-05 22:40 | books

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy