へべれけ
2011年 12月 03日
いやいやいや、なったことはもちろん度々あるのですが。
今日、図書館のソファで幸田露伴の『五重塔』を斜め読みしていたら、
あるページで
『・・・、つい昨晩 酔まして・・・』
という文章に、
『・・・、ついゆうべ へべまして・・・』
とルビがふってあったのをたまたま見つけて。
「酔まして」を「へべまして」と読ませるのか、面白いなぁ・・・と
ひとり感じ入った次第。ただそれだけでございます。
「へべ」というのは「へべれけ」のへべだろうなぁ、やっぱり。
へべれけの語源って?と気になってググッたら、ギリシャ語に由来するとの説あり。
オリンポス山での神々の宴のお酌係だった女神「Hebe(ヘベ)」が注ぐお酒の
あまりの美味しさに、神々は「Hebe erryeke(ヘベ・エリュエケ=ヘベのお酌)」
になるまで飲んだとか飲まないとか。
かなり眉唾な気がするんですけど。
でも、「へべまして」という言葉、なんだか気に入ってしまった。
ちょくちょく使おうかな。
「昨日はへべちゃってさ~」
「あいつ、もうへべってやんの」
「ちょっとへべりんぐ」
「へべましておめでたう」
・・・いや、やっぱりそんな状態にはならぬよう気をつけよう。
幸田露伴の『五重塔』は、こないだ読んだ高峰秀子さんの『にんげん住所録』という
エッセイ集のなかで、
「二度めを読了したとき、私の頭の中にはどんよりならぬ、スッキリした青空が広がっていた」
「西部劇の内容のすべてが『五重塔』に入っているし、『五重塔』のすべてが西部劇そのもの、そして共に『男の世界』という共通点がある」
「日本の作家が、当時の日本の男たちのすべてを描きつくした、唯一、不朽の名作だと、私はおもっている」
てな感じで紹介していたので気になったんだった。
図書館で借りようと思って手にとってはみたけど、読み慣れない文語体で書かれていて、
これはかなりハードル高そうだと思って、ソファですこし拾い読みしてみたのでした。
旧仮名遣いの本にはほとんど違和感なくなったけど、文語体はキビシイな~。
でも、リズムに慣れると気持ちよく読めそうだし、近い将来挑戦してみよう。