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ありがとう、ラルフ

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Ralph MacDonald, a highly regarded session musician and songwriter who co-wrote hits including “Where Is the Love?" and “Just the Two of Us," died on Sunday of lung cancer in Stamford, Connecticut. He was 67. (by Rolling Stone  Dec. 21, 2011)

渡辺貞夫さんを聴いてサックスを始めたのが30年少し前。その後に発表された貞夫さんの"Fill Up The Night" と"Rendez-vous"の2枚のアルバムをプロデュースしたのがRalphでした。もちろんツアーにも参加。都内でのコンサートに通いつめました。ボクの青春であります。

パーカッション奏者であり、グラミーを獲ったソングライター、プロデューサーでもありました。盟友William Salter、William Eatonと興した"Antisia Music"やレコーディングスタジオ"Rosebud Studio"から生み出された音楽は今の自分の血肉となっています。Donny Hathaway&Roberta Flackの”Where Is The Love?”やGroverのアルバムでBill Withersが歌った"Just A Two of Us"はもはやスタンダードナンバーと言ってよいでしょう。(詳しい経歴や参加アルバムはコチラを)

自己名義のアルバムも多く作っていました。打楽器奏者だけれど自分が表に出すぎることはなく、シンプルでツボを抑えたプレイが印象的でした。こんな洗練されたパーカッショニストは彼以外に知りません。音楽全体を見渡す根っからのプロデューサー的感覚の人なんだなあと感じます。自分のアルバムではカリプソにこだわりつづけていました。

僕が観たRalphは、貞夫さんでの2度のツアーと、今はなきピアニストRichard Teeとの2度の来日時、そして10数年前に自己名義のバンドでブルーノート東京に出演した時。Richard Tee Committeeの最初の来日時は、アンコールで、ちょうど来日していたRoberta Flackが飛び入りで参加して会場(新宿ルミネにあったACTⅡ)は大熱狂でした。その時のサックスが元タワー・オブ・パワーのLenny Pickettで、自分にとっては忘れることが出来ないライブです。そしてブルーノートでは、観客の喝采ぶりに感極まってライブ最後に後ろを向いて涙したRalphの肩をサックスのTom Scottが抱くシーンが印象的でした。

ありがとう、Ralph。 どうぞ、やすらかに。



"Mister Magic"。 Grover Washington,Jr.の1980年代初頭のライブ。5分過ぎ位からRalphとSteve Gaddのリズムコンビネーション。この時のメンバーで存命なのはベースのAnthony JacksonとドラムのSteve Gaddしかいないということに愕然としてしまう。
by hey_leroy | 2011-12-23 08:21 |

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy