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本日のお弁当。
鮭と浸し豆のまぜご飯。麻婆ナスたけのこ(粒山椒ビリビリ)。にんじんしりしり。
お弁当には、毎日焼き鮭。飽きないなぁ。焼いたまま入れたり、ほぐしたり。
鮭とニンニクだけは廉価モノを買うのは避けたいなぁと思っている。
ペラペラの鮭の切り身が夜更けのスーパーで水っぽくなっているのを見るのは哀しい。

鮭といえば・・・
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ちょうど今東京芸大美術館でやってる「近代洋画の開拓者 高橋由一」展。
結構目をひくポスター。
6月下旬までやってるから、上野・谷根千界隈への散歩がてら行ってみようかな。
ほかにどんな絵があるのか、全然しらないんですけど。



そして。 偶然ながら今読んでる本が、これ。
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『食物漫遊記』 種村季弘 (筑摩書房 1981年)

鮭ジャケつながり。 
・・・ん?、でも両者の絵、少し違うような。。。
切り身が、下のはさらに削がれてる。

種村氏の序文を読むまで気付かなかったのだけど、下の絵は鈴木慶則という人が描いたとのことで。オリジナルの高橋由一の「鮭」のパロディ作品、その名も「高橋由一風鮭」。
描いているうちについ食べてしまって・・・なのかしらん。
1960年代、赤瀬川原平らが繰りひろげて一部で物議をかもした(らしい)前衛芸術活動にリンクしてる作品なのかな。パロディというと今では安っぽく使われる言葉だけど、1960~70年代の実験的・前衛的・その他モロモロがとぐろを巻いたようなエネルギッシュな事象は、当時渦中に身を置いていたら相当に刺激的だったのだろうな。体制とか権威とかの存在が大きいほど、パロディ精神も花開く。今は、どうもそういう環境にはなりにくいのか。もはや笑い飛ばしてる場合ではないのか。

さて。この鮭の絵が「食物漫遊記」の表紙になっているのは何とも心憎い。
タイトルからすると美味い食べ物を求めて諸国を訪ね歩いたりしてそうだけど、そういった期待はすぐに裏切られる。"ミスター博覧強記" 種村季弘氏の著作だ。一筋縄でいくわけがない。

シリーズ物ではないけど「書物漫遊記」や「好物漫遊記」など"漫遊記"がついた随筆を数冊出しているので、今回も食べ物が一応のテーマにはなってはいるものの、話題は氏の専門分野のヨーロッパ幻想奇譚から日本の近世~現代文学、中国モノに落語に・・・文学、風俗、あらゆる分野から湧き出るように出てきて、それらが自身の体験に寄り添ったり離れたりしながら、読み手はいつしか現実と虚構の間に放り出されてたりする。役に立つ話かどうかはさておき、読んでるときの充実感はたっぷり味わえます。 作者の終わりなき偏執狂的バイタリティ。 すごい。

ちくま文庫から復刊されてるのは表紙が別物なんだな~。もったいない。
by hey_leroy | 2012-05-24 22:49 | books

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy