ワンツー、ワンツー、おいっちに~、おいっちに~
2012年 12月 12日
あるいは、おいっちに! おいっちに! おいっちに!の日。
・・・'12年12月12日の12時12分12秒なんて、まったく意識してなかったな。
でも、仕事からの帰り道は、ワンツー、ワンツー、おいっちに、おいっちに、と歩きました。
ワン・ツー、ワン・ツー、といえば、もちろん水前寺"チータ"清子の「365歩のマーチ」。
そして、おいっちに~、おいっちに~、は、ドリフ?・・・もあるけど、映画『まあだだよ』での百間センセイたちの「オイチニの薬屋さん」が、自分には印象深い。
作家・内田百間と昔の教え子たち(教え子という言い方を先生は嫌ったらしいけど)との交流を描いた、黒澤明監督の遺作「まあだだよ」。毎年続くことになる大宴会「摩阿陀会(まあだかい)」の第一回(昭和21年)で、百間センセイの音頭により、かつての学生たちが前の人の肩に手を乗せ、キシャポッポのようにつながって、合いの手を入れながら宴会場を「オイチニ!オイチニ!」と唱和しながら練り歩くシーン。
元ネタは、明治の末に生盛薬館(せいせいやくかん)という薬屋が行商で歌っていた口上。軍服の傷病兵が、手風琴を弾きながら歌って売った、当時の名物とのこと。
♪ オイチニ、オイチニ 生盛薬館(せいせいやくかん)製剤は親切実意旨となし
ハイ オイチニ オイチニ 病の根を掘り葉をたずね その効験を確かめて
ハイ オイチニ オイチニ 売薬商たる責任を 尽くし果たさんそのために
ハイ オイチニ オイチニ 春夏秋冬へだてなく 貧苦の人に施薬せん
ハイ オイチニ オイチニ オイチニの薬を買いなさい オイチニの薬は良薬ぞ
ハイ オイチニ オイチニ ♪
映画での百間センセイたちは、これを替え歌にして騒いでいた。
♪ オイチニのクスリは日本一、オイチニのクスリを買いなさい
(オイチニ、オイチニ) そのまたクスリの効能は、(オイチニ) 入院、胃病に腹くだり
(オイチニ、オイチニ) 産前産後の血の道に、(オイチニ)ぜんそく、頭痛、はやり風邪
先生「つぎからは本日の即興!」
クスリの効能数々あれど、(オイチニ)馬鹿は死ななきゃあ直らない
(オイチニ、オイチニ) 馬鹿なことなら山ほどござる、(オイチニ)今のにっぽんじゃあ花盛り
(オイチニ、オイチニ) いくさに負けて占領されて、(オイチニ)終戦なりと馬鹿をいい
(オイチニ、オイチニ) 人気人気といいながら、(オイチニ)えばるは悪い奴ばかり
(オイチニ、オイチニ) 贈賄、収賄、手をふって、(オイチニ)正々堂々ハイドウドウ
(オイチニ、オイチニ) 疑獄、極楽、蟻地獄、(オイチニ)それでも懲りない面々は、
お口をそろえてチーパッパー、(オイチニ)
チイチイパッパー、チーパッパー ♪
(オイチニ、オイチニ) 先生「おわり!」
・・・ああ、ビデオ、最初から観ようかな。
松村達雄演じる百間先生、はじめは違和感あったけど、何度か見ていたら感情移入しちゃったのか、自然に感じるようになった。井川比佐志に所ジョージ、そして香川京子・・・いい味です。
* * *
ちょいと残業しての仕事帰り、銀座や新橋界隈は、忘年会とおぼしきグループたち。
駅のホームでは、早々にお店を広げちゃってるオジサンも。。。まだ9時だよ。。。
年の瀬が近づいていますなぁ。
帰ったら、注文していた古書が届いていた。 三冊、いずれも昭和なかごろの食味随筆なり。
早く読みたい。 録りだめてる映画もみたい。 でも、そろそろ喧騒の街にでて浮かれてもみたい。