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ちんまりカレーと方丈記

仕事からの帰り道、なんの変哲もないカレーライスが食べたくなった。
いわゆるひとつの、おうちカレー。
レトルトとかは、胃にもたれるのよね~。

帰宅して食材ガサゴソ。

鶏もも肉1/2枚。ジャガイモ1個。ニンジン1/2本。玉ねぎ(小さめ)1/2個。
ニンニク・生姜1かけずつ。

ざっくり炒めてカレー粉(うちはインデアン食品の)入れて、水とコンソメ。
ソースとかスパイスもあるのを適当に。
小麦粉ないので、邪道かもだけど水溶き片栗粉ちょっぴりでとろみだして。
おうちカレーですから。。。

30分もしないでできあがり。 

思えば、こんな少量のカレーをつくったの、はじめてだ。
片手鍋カレー。
アルマイトの鍋だと、やさぐれ感が倍増するのだけどね。

もうねぇ、このごろは作り過ぎることもあまりなくなってきましたよ。
豚汁とか、おでんとか。
いっぱい作った方が美味しいのはわかるけど、その後何日も食べ続けるのはシンドイわけで。
やっと分相応な量に落ちつくようになってきました。
これは進歩と呼んでいいのでしょうか。 

たぶん、いわない。

けど、まんぞく、まんぞく。
このちんまり加減が、じつは気に入っている。

ちんまりと豆や乾物を水でもどしたり。
ちんまりとミルクパンで人参を煮たり。

こんなことで悦に入ってるようじゃ、遁世者気取りと言われても否定はできないな。



* * *


遁世とか、隠居願望とか、隠遁生活といえば。
そのバイブルというべきな書物が、鴨長明の『方丈記』。
800年前に書かれた日本における随筆の草分け。

「ゆく川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・」
とか、古文で習ったような気がしないでもない。

鴨長明はその晩年に世俗を離れて京都の日野山に一丈四方(方丈)の庵を構え、そこで方丈記を記した。前半は自分の生涯で経験した災害や乱世のこと。後半は、庵でのシンプルな暮らしのこと。

内田百間が空襲で焼け出された時に、書物ではこの方丈記だけを懐に入れて逃げたというエピソードがある。その時、片手には一升瓶に少しだけ残ったお酒も持っていたのだけど。あと、小鳥の籠もだったかな?

で、自分もいつかは読みたいなぁと宿題にしていて、現代語の対訳本とかも何冊か立ち読みしたんだけど、どうも触手が伸びなくて。 どうも堅苦しく感じて。 古文アレルギーかな。

それが、こないだ、方丈記を現代語に「超訳」したブログを偶然見つけて。
著者は「適当現代語訳」と書いているけど。
これ、スゴイ。 さばけているというか、「ニート」だの「ストレス」だの、今の言葉に置き換えて、かなりくだけた調子で訳されてる。意訳といえば、意訳。 でも面白くて一気に読んでしまった。 もともと短い文章だし。

まぁ、これで方丈記を読んだ気になるのはどうかと思うけど、だいたいの内容をつかんで、他の対訳本やら原文やらにあたってみるのも良いかなぁと。
by hey_leroy | 2013-02-25 22:20 | days

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


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