文月朔日
2013年 07月 01日
朝、いつものように始点近くの駅から東京方面へ向かう横須賀線に乗り込む。逗子も過ぎ、そろそろ爆睡モードに入ろうかとウツラウツラしていたら、なじみのない哀しい調べが耳に入ってきた。 それは静かな音色ではあったけれど、あまりに物悲しく、ゾッとして眠気が一気にさめてしまった。
なんだ、これは?
状況から察するに、鎌倉駅のホームで流される発車ベルのメロディらしい。
初めて聴いた。 それにしても、この哀切感といったら。
「JR東日本横浜支社は7月1日からJR鎌倉駅の発車メロディーを童謡「鎌倉」に変更すると発表した。鎌倉育ちのフルート奏者・吉川久子さんのソロ演奏を音源にしたもので、童謡を発車メロディーにするのは同支社管内で初めて。JR鎌倉駅では(6月)現在、電子音の発車メロディーが流れているが、市観光協会が鎌倉のイメージアップのために、童謡「鎌倉」を発車メロディーに使えないかと相談。その後、フルートの音色がきちんと発車メロディーとして判別できるかなどを検討し、7月からの使用を決めた。」 (MSN産経ニュースより)
そういうことか。
で、実際の音声がさっそくニュースにあがっていました。
どうすか? コレ。
古都鎌倉っていうイメージもなきにしもあらず、なのかな?
一日の始まり。 爽やかに出勤したい朝にコレって、けっこう気が滅入ると思うんだけど。しかも毎朝。そして個人的には、朝よりも夜、これから横須賀方面に向かうにつれ乗客がどんどん減っていくという時にこの旋律を耳にする切なさ。 やりきれんなぁ。。。
哀しさついでに、元曲「鎌倉」を。。。
思い出しました。 夏になると鎌倉の実家のとなりの公園で小さな盆踊り大会があるんだけど、そのカラオケ大会で、毎年何人かのジイサマたちがこの曲を熱唱していたのだった。
「しぃ~ちりぃが~は~ま~のぉ~ ♪」
夏の夜空に響くがなり声も、かなりの哀調を含んでいるのでありました。
ふぁ~。
なんだかんだいいながら、少しすればこのメロディにも慣れてしまうのだ、きっと。
でもなぁ。 「鎌倉のイメージアップのため」って言うけど、楽しく観光したみなさんが帰りのホームでこのメロディに見送られるのって、どうなんだろか。 なんか、切な~くなる気がするんだけど。とっても。
曲自体が悪いのではないのです。 TPOっつうか、なんつうか、ねぇ?
・・・今日はじめて聞いたインパクトで、ちょいと大げさに感じてるのもあるかもね。
そういえば。
何年か前、一時的ではあったけど、新橋駅の発車ベルが 「ウイスキーがお好きでしょ ♪」 のメロディになってたこともあったっけ。
二日酔いの朝にホームであれを聞いたときの苦い感じ。
・・・状況はさておき、あれは朝から流す曲ではなかったわな。
やはり曲は慎重に選ぶべきだと思うのです。