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立原家の食卓

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『立原家の食卓』   立原光代 (講談社 2000年)


鎌倉の梶原や腰越に居を構えていた作家、立原正秋(1926~1980)。
作品は、読んだことはない。
図書館に、夫人である光代氏が書いたこの本をみつけた。

昭和20年代以降の鎌倉での暮らしぶりがつづられている。
正秋は、亭主関白というか、家長絶対主義者というか、
いまの時世ではなかなか受け入れられないタイプの一徹者。
ちゃぶ台はひっくり返すは、怒鳴り散らすは。。。
しかし、彼の筆一本で、初めは苦しいながらも家族が食べていけたわけで。
妻も子供たちもそれが当然という感じで暮らしていた。

盆、暮、正月、お節句などの行事。
梅干し、糠漬け、そのほか常備菜の仕込み。
日々の食卓のこと(正秋は食事の味に厳しく、時には自ら包丁を握った)。
生活道具や裁縫のことなど。

「ていねいな暮らし」なんて言葉がもてはやされているけど、
立原家のくらしぶりは、読んでいるこちらが恐縮したくなる感じ。
それが当然という時代だったんだろうけど、煩い家長が仕事柄ほとんど家にいるというのも、いやはや大変だったろうなぁと思う。



さてさて。
本文中で美味しそうだなと思ったお惣菜をメモメモ。


「おから」
・だしを使わず、イカを使う。
・イカは小指の先ほどに細かく切り、鍋でから炒りする。
・お酒を入れて少し混ぜ、醤油を入れる。イカの下に汁気が残る程度に煮ておく。
・鍋を良く熱してサラダ油を入れ、おからを入れてたえず混ぜながら炒る。
 焦げつきそうになったら弱火に。
・イカと具材(葱みじん、油揚千切り、薄い銀杏切りの人参をゆでたの)を加えて炒り煮。


「青唐のピクルス」
・青唐辛子を水洗いし、へたを取ってよく水切り。
・1本ずつ楊枝で刺して酢の通りをよくするための穴を開ける。
・瓶に入れ、酢を注ぐ。
・2~3か月で食べられるが、1年ほど経ったものが辛さが落ちついて美味しい。
・ステーキや焼き肉などの時に出すと、脂っこさが取れ、辛さの刺激も合う。

・・・ステーキも焼肉もウチの食卓に上ることはほとんどないけどな~。



by hey_leroy | 2016-07-21 09:10 | books

たゆむあした、ゆるむゆうべ。カマクラ発、ユルマッタリな日々。読み返されない備忘録。


by hey_leroy