あまカラ

むかし、「あまカラ」というちいさな雑誌がありました。
昭和26年から43年までの17年間、毎月刊行。
200号を区切りで終刊となりました。

雑誌はB6サイズ横型の70ページほどの薄くてかわいらしいもの。
表紙も毎号変わっています。
僕がこの雑誌の存在を知ったのは3~4年前のこと。
インターネットの古書店でコーナーとして扱ってるのを
偶然みつけたんだと思う。たぶん。

内容は、食べ物についての随筆。
地方の特色ある献立の紹介だったり、
こどものころの思い出の食べ物だったり、
個性的な飲食店のオヤジさんの話だったり。

大阪の和菓子舗の経営者が発行人だったらしいけど、
びっくりするのは、その執筆陣。
僕の手元にあるのは1960年12月号(No.112)だけど、
文章を寄せているのは、小島政二郎、獅子文六、山本嘉次郎、
吉田健一、谷内六郎、安藤鶴夫などなど。
小説家、評論家、映画監督、画家・・・。なんとゼイタクな。

もちろん内容も充実、濃厚。
薄くて小さい雑誌ながら、堂々の読み応えなのです。
「あまカラ」に寄稿することがある種のステータスだった、
と受け取れるようなコメントものちに残されています。

でも、古い雑誌だし、集めるのにも根気やパワーが必要だな~・・・
ま、偶然の出会いを期待して・・・などと思ってたら、ありました。
「あまカラ」200号のなかから百数十篇の文章を選んだ本が。

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『「あまカラ」抄』 1~3巻  高田宏 編  (冨山房百科文庫)

こないだ読んだ「茶話」という本が冨山房文庫の本だったのだけど、
巻末の目録に「あまカラ」抄全3巻が載っていて、びっくり&ウレシがったのでした。
やるな~、冨山房。

良質で、本当によい本ですよ。オススメ。
食にまつわる話ばかりではあるけれど、
内容はじつにさまざま。まさに「随筆」です。

井上靖、開高健、武田泰淳、有吉佐和子、岡本太郎、
幸田文、小林秀雄、瀬戸内晴美、草野新平・・・

羅列してもあまり意味はないけれど。

ゆっくりゆっくり読むと、いいと思います。
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by hey_leroy | 2008-06-18 23:45 | books | Comments(0)
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