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「僕は、太陽をのむ」と「雲のうえ」


鎌倉の由比ガ浜通りに事務所を構える出版社「港の人」から、
先月、画家・牧野伊三夫さんの『僕は、太陽をのむ』という本が刊行された。

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牧野さんの初の単独の画文集。
自分は面識があるわけではない。
初めて知ったのは、10年ほど前の、雑誌ku:nelだったかと。
「本業の絵を描くあいまに同人誌を作り、酒場のはしごのあいまに銭湯につかり、各駅停車の旅のあいまに、また絵を描く」という見出しがついた記事、おもしろかった。

その後、ライター鴨井岳氏との共著『今宵も酒場部』を読んだり、ちょこちょこ雑誌での文章や絵に触れたり。あと、偶然手にとった本の装丁や挿画をされていたことも。

そして、鎌倉と大船にある立ち飲み、H文庫のキャラクターを描いた方でもある。

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で、今回の画文集。
主宰する美術同人誌「四月と十月」などに寄稿した文章のほか、絵画作品も多数。
随筆であり、詩であり、日記である。
音楽と絵の即興演奏のドキュメンタリーもある。
悠然、泰然としているようで、もどかしさを抱え、どこかギラギラもしている。

今までの画や文章とはまた違った印象を受けた。
人間らしさに満ちた、「なにかよいもの」がつまった本。
これから先も何度か読み返して、その「よいもの」を感じ取りたい。



もう一冊。


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『雲のうえ 一号から五号』(西日本新聞社 2013年)

その、牧野伊三夫さんは北九州市出身。そして、創刊から編集に携わっている、北九州市が発行するフリーペーパーが『雲のうえ』。この本は、その創刊号(2006年10月)から第5号(2007年10月)までを一冊にまとめて2013年に刊行したもの。ちなみにこちらは有料です。

『雲のうえ』は、自治体のフリーペーパーとはとても思えぬ内容の充実ぶり&マニアックさで、他地域でもコアなファンが多いのだとか。自分も、しばらく前からその存在には気づいていたのだけど、合本が発売されていることに今さらながら気づいて早速注文。

ちなみに各号の特集は、
創刊号「扉のない酒場へ。」
第2号「おーい、市場!」
第3号「君は、工場を見たか。」
第4号「誰も知らない小さな島。」
第5号「はたらく食堂。」

・・・たまらんでしょ?
角打ち、鯨漁、工業地帯、離島といった、北九州の文化、産業、自然をきわめて魅力的に探っている。個人的に惹かれるテーマだということはモチロンなのですが。


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いやぁ、こういうの、前から知ってればなぁ。記事の内容も、読みごたえたっぷり。
角打ちをめぐるのは「酒とつまみ」の大竹聡氏だし、食堂のことで筆をふるうのは"大衆食堂の詩人"遠藤哲夫氏だ。そういえば、エンテツさんのブログでこの「雲のうえ」のことを知ったのかもしれない。
そして、現在、鎌倉の立ち飲みH文庫のオーナーであるN氏が「雲のうえ」の創刊にプロデューサーとして関わったとのこと。いろいろつながっているんだなぁ。(N氏は演劇制作やらいろいろなことを手がけている方。東日本大震災直後に地域の人達が日頃から集まれる場所が必要だと、翌月にはH文庫を開いたという。)


そういえば、横須賀に住んでいた時に発刊された「横須賀スキップ 」というタウン誌。あれは自治体は絡んでなかったけど、第2号 のあとでストップしちゃったみたいだなぁ。なにしろ、こういう雑誌を続けていくことは本当にいろいろパワーがいることだと思う。


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by hey_leroy | 2016-01-21 23:59 | books | Comments(0)